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六甲全山縦走大会 2006/兵庫県神戸市須磨区〜宝塚市 
2006年11月23日(木) くもり
同行者:なし 往復:む。出動 

●コース概要●

須磨浦公園〜宝塚までの六甲全山縦走路

全行程56km
登る高さを合わせると約3,000m(富士山の5合目から頂上までの2倍)



今年の夏から、ひそかに思い続けていた六甲全山縦走走破。

56km、しかもアップダウンがキツイこの行程を1日で歩きとおすというキ●ガイじみたこのイベント。

来年でもいいし、いつか歩けたらすごいよね・・・だなんて思いながらも、わたしは夏からこのことで頭がいっぱいだった。
ついにこの日がやってきました

いつかじゃなくって、今年、チャレンジしてしまおうと思ったのは、『どうすれば歩きとおせるのか』『どうすることが最良の方法なのか』をずっと思い続けてきて、これを例えば来年まで考えるのはとてもしんどいことに思えたからだ。それだけ、わたしの頭の中はこのことで埋め尽くされてきたことになる。
凝り性なもので。

とにかく、「軽量」をテーマに練習をしてきたので、1週間前から23日は「晴れはしない」という天気予報に釘付けだった。めまぐるしく変わる天気予報は、曇りときどき雨→曇りのち雨→雨・・・結局のところ曇りときどき雨・降水確率は50%(しかも弱い雨)で落ち着いた。

降るか降らないか2分の1ということだ。
降るなよ・・・

2日前まで雨予報だったのに上等というものだ。靴も登山靴(雨が降った場合の後半の下り用)をザックにつめていこうと思ったけれど、その必要もあるまい。いつもの、練習してきたあのウォーキングシューズで行こう。雨も考慮して、いつもより荷物は多めになったけれど、どしゃぶりの雨にさえならなければ、何とかなるだろう。

11月23日3:00起床。

5時間も眠ってない割には、興奮のせいか寝不足は感じない。
む。が作ってくれたてるてる坊主のおかげか、雨は降ってない。うどんを食べて、荷物と写真を貼った受付票(←これ一番大事)のチェックを再度し、4:00に家を出発。む。に須磨浦公園まで乗せていってもらう。

今年一番の冷え込みと言っていた割に、空気は生ぬるい感じ。
首吊りではありません
もうすぐチェックしてもらえます 4:43に列に紛れたのだけど、来るは来るわ!!よくまぁこんなに出場したいという人がいるもんだというくらい。誰にお願いされたわけでもないのにね。

わたしのときで既に列はR2近くまで伸びていた(受付まで多分2〜300m)。周りの人様の様子を伺ってみるのだけど、みんなとにかく荷物が小さいことに驚いた。待っている間にストレッチ。
5:00丁度にようやく列は動き出した。
神戸市主催の六甲全山縦走大会に出場する人は黄色か緑の反射リボンを前後につけているので区別ができる(黄色は神戸市民、緑が神戸以外の人)。

あと、本日は別にボーイスカウトの人たちもそういう大会があるようでとにかくこの辺りはごった返していた。

それにしてもみんな歩きなれているような感じで自分以外が全員兵に見えてしまう。
いい感じ♪
受付完了 受付の人に「須磨浦公園」と書いてある受付票の一部をピリピリと千切り、渡した後、チェックカードにはんこを押してもらう。

5:34、轟の戦いはついに始まった。

さて、六甲全山縦走、須磨浦公園〜宝塚、と言ってもぴんとこないと思うので地図をアップしてみたいと思います。

と言っても、カシミールでやろうとしてもどうしてもうまく作れなかったので、神戸市生活文化課から400円で発行されている『六甲全山縦走マップ』地図を拝借させて頂きました(以下出てくる地図も同様)。ちなみにこの地図の入手方法はコチラ。400円と言う値段でありながらとてもよくできた地図です。

こんな感じなのです
六甲全山縦走コースのイメージ

56kmと簡単に言っても、実はこのコース、距離もさることながらアップダウンが非常に激しいのです。登る高さを合わせると約3,000m、これは富士山の5合目からの2倍、上高地から奥穂高岳の登る高さの約1.7倍になります。って奥穂高まで登ったことないんだけど。短距離で一気に高度を稼いだり、ひたすら3,000mをよじ登るというわけではありませんが、56kmの中にそれだけの登りもちりばめられているわけなのです。

須磨浦公園〜妙法寺まで
さぁ、行くぞと思って出発したものの、いきなり始まる鉢伏山への階段で、おばちゃんたちの異常に速いペースに面くらう。ちょうどわたしと同じくらいのおじさん3人組がいたので合わせて歩いていく。階段の半分くらいで渋滞に巻き込まれ、ノロノロペースに。

いつもは2回ほど足を止めて息をつくのだけど今日は渋滞のおかげでノンストップで歩くことが出来た。登りきったところで現れた神戸の夜景がジーンと来る。

既にアツくなってきたので着ていたカッパの上着を収納。
ボケてますが。
フラッシュは遠慮しました そこから旗振山→鉄拐山(頂上を通らず巻き道)もひたすら渋滞でスローペース。この辺りはかなり早歩きで進めるところなのだけど仕方がない。

高倉台では2つコースがあるのだけど、長い階段を通らない下りコースで向う(若干近道?)。住宅街では道幅が広いので、さっさと歩けたけれど栂尾山へ向う名物階段前で案の定ピタリと止まる。アトラクション待ちです。だんだん明るくなってきたのでライトを片付ける。

ただ、タイムにすごく拘る人は横から抜いていくのだけど、こうやってみんなが止まっているところでも抜くのはどうかな、と内心思う。広い道ならわかるんだけど。

登り始めるとほどよいペースだったので最後まで無理なく登れた。400段前後の階段なのだけどいつもより3分ほど余分にかかっただけ。
栂尾山→横尾山(7:03)通過。横尾山前後からの渋滞が一層激しくなる。須磨アルプスでの渋滞はわかるけれどそれにしてもえらい手前から渋滞するんだなぁと思っていたら、どうやら横尾山過ぎにあるちょっとした鎖場で渋滞が起こっていた模様。なるほど。こうしたものでも2000人も通るとなると大渋滞になるわけか。

須磨アルプスも当然ながら。それにしても曇り空は相変わらずだけど、空の色はそんなに重くない。意外と1日、雨降らないかもなぁ。
ここも渋滞(笑)
トイレに行こうと思ったけど 東山を通過し、一気に妙法寺の住宅街へ向けて下っていく。下ってからゴイゴイ抜いていくのだけど、道いっぱいに広がって歩く大会参加の集団の大学生がかなりウザイ。

あと、山の渋滞の中でも平気でステッキを脇に挟めたまま岩場を登る人や、ステッキを持ったままザックの中からジュースを取り出す人がいたりするのでとっても危ない(しかも先端のゴムなしの人も多い!)。自分がどれだけ振り回しているのか気づいてないんでしょうね・・・突かれないように、突かないように気をつけましょうね。

8:00ちょうどに妙法寺小学校着。トイレを借りようと行くのだけど止まっていたのはパンダ?バス。てっきり学校のトイレを借りれると思ったのにな。数人待っていたのであきらめて先へ進むことに。
妙法寺〜大龍寺
高取山はわずか300mほどだというのに意外と登り応えがある。しかもたまたま前にいた集団のペースが異常に速い。迷ったけど、ついて行くことにした。トイレに早く行きたかったし。

8:40に高取山の休憩所着。
バナナやジュースの販売もある。去年の場合男:女=4:1の参加者割合だけあって女子トイレは待ちゼロ。男子トイレは大渋滞。今日ばかりは女子でよかった。せっかく止まったのでバームゼリーを1袋飲んでおく。腰をおろさず5分休憩で次へ向けて出発。
高取山の休憩所でみんなまったり
鵯越の町中 いつもなら快適に歩ける、高取山からの下りが何故か足が重い。登りでいつものペースと違ったからかなぁ・・・住宅街に出たらいきなりの急な下りになるので足を痛めないように気をつけないといけない。

住宅街の中ももう迷う心配もなく歩いていく。それにしても男性でスパッツ一丁、結構多いですね。目のやり場にマイッチング。
だってプリプリのオ●ツなんだもん。

しかも紫スパッツも見つけてしまいました。これはめずらしいわい!とカメラを出したところでおじさんに見つかったので盗撮は断念(笑)。

鈴蘭台下水処理場手前からアスファルトの登りが少し続くのでWステッキでリズムを取りながら歩いていく。旧菊水山駅の辺りになると何故だか人はまばらになり、ホッ。と思ったのも束の間、菊水山の入り口で既に渋滞。本当にどこでも渋滞だなぁ。

少々差をあけられながらもどうせ菊水山山頂までラスト900mの道でも大渋滞だろうと思い、写真を撮りつつ進んでいく。本当に紅葉が見事。

くもりときどき雨だった天気予報は半分ウソだったようで、うっすらながら、日もときおり差してきた。すごくうれしくなる(・∀・)。
ん〜いいねぇ◎
さぁ行きますか のんびり進んでいるとやっぱりあと900m地点からが大渋滞。列に紛れて登っていくけれど、ほどよい速さで全く疲れは感じない。自分でこのペースで歩こうと思ってもなかなか無理な話。どうしてもガーっていっちゃうもん。

20分強かかるラスト900mを今日は30分弱で到着。たった数分違いでこれほどに疲れの差があるとはね。
10:21、菊水山着。

ここはチェックポイントなので、また受付票の一部を切り取り、係員の方に渡してはんこを押してもらう。ここは500mに満たない山とは思えない、素晴しい景色が望めるので多くの人が休憩を取っていて当然ごった返している。人の重みで山、小さくならないかな。
ゾロゾロ
いい景色だね◎ チェックポイントの様子と神戸の街なみ。本当にびっくりするくらい次から次へと人がやってくる。

疲れを感じないので、そのまま鍋蓋山へと向うことに。いつもなんだけど、菊水山よりもわたしは菊水山の下り+鍋蓋山のほうが苦手。さぁ、気合を入れて行きましょう。
今日は菊水山からの下りはリズムよく下っていけ、鍋蓋山はなかなかいいペースでの渋滞が発生していたのでついていった。何故鍋蓋山が苦手かというと、頂上(っていうか単にわたしの勘違いなんだけど)だと思ったところが頂上じゃないから。途中に鉄塔が2つもあるんだもん。六甲の山には頂上に鉄塔があるものが多い。

今日も内心、騙されるな、騙されるなと心の中で思いながら歩いていた。

11:14鍋蓋山着。猛烈にお腹が空いたのでチーカマとチョコレートでお腹を満たす。4分休憩して出発。ここから大龍寺→市が原までは少し気が抜ける道のりだ。
鍋蓋山の山頂もわんさか
大龍寺の門のところ 大龍寺の門のところでは生協のお弁当やトン汁(300円)が販売されている。トン汁を食べたかったのだけど、市が原まで下った後、難関の摩耶山の登りがあるので止めておくことにした(轟=登り前に食べると気分が悪くなる)。でも本当は食べたかった。

市が原ではトイレに行きたいしね。苦手な市が原までのアスファルトの下りも今日はちょっと小走りで下ると随分楽にやり過ごすことができた。
市が原〜摩耶山
11:51、市が原着。

トイレ(ティッシュ無・ポットンなので気をつけて)に行って、1本ペットボトルを調達。この辺りも紅葉が素晴しく、思わず見入ってしまう。

5分休憩をした後、さぁここからが前半の我慢のしどころの1つ。4km耐えたら、摩耶山(掬星台)に着けるんだから、と言い聞かせて出発。しっかり歩けよ、わたし(・∀・)。
市が原の休憩所にて

しかし、稲妻坂を登り始めてしばらくすると、足が鉛のように重たくなる。渋滞からはずれ、1分ほどの休憩を15分に1回ほど取りながら進んでいく(結局1分休憩×5)。

先ほど市が原で買ったアクエリアスを飲んでみると炭酸!!(緑色のやつ、名前は忘れた)炭酸だと思っていなかったので飲んだ瞬間鳥肌が立つほどに生き返った。
轟=炭酸好き。

とにかく、学校林道まで、学校林道までと思って歩き続ける(学校林道=市が原〜摩耶山までの約半分)。
でも、真夏のときでもこんなに足が重たいと感じたことなんて無かったのに。後半大丈夫かとものすごく心配になる。
学校林道にたどり着いたときは本当にほっとした。

天狗道も稲妻坂も手ごわいけれど前半の天狗道の方がわたしは×。後半は水平の道アリ、下りアリ、手を使って登るような岩場ありで変化があって好き。

トロトロ歩いていると、いつの間にか前にも後ろにも人が見えなくなった。
ひとりぼっちです
そして一人になったとき、わたしは思った。

足は今のほうが重たいけれど、自分一人で歩いた方がよっぽどキツかったじゃんって。
一人で迷いながら、ルートファインディングをしながら、ペースを考えながら歩く。
大会だと多くの人がいる。
迷いそうなところにはボランティアの人が。
バナナを売りながら「頑張って!」と声をかけてくれる人が。
くじけそうになっても何とかくらいついて行けるかもしれない目標とするハイカーが。

一人で、それも厳しい季節にたとえ半分でも歩きとおす方がきっと大変だと思った。わたしはまだ通しで歩いたことがないからあくまで憶測に過ぎないけれど。
人の後をついて歩くのがどんなに精神的に楽なことなのかを知ることが出来た。『孤高の人/新田次郎著』の中で、加藤文太郎が冬山で、他のパーティから言いあげられた理由を理解することができた。

今回、宝塚まで歩きとおすことができたら、わたしはこの大会には二度と参加しないだろうと思う。

段差の小さな石段が現れたら摩耶山までもう直ぐだ。

絶望的な足の重さを感じながら13:18、掬星台チェックポイントに到着したのに結局市が原から1時間22分。過去2回より数分だけど速い。うそん。
掬星台のチェックポイントでは反射リボンを前後につけているかもチェックされ、同じように受付票の一部を切り取って渡し、はんこを押してもらった。

ここでは摩耶山を守ろう会の方々が提供してくださる、ホットレモンの無料サービスを受けることが出来る。紙コップに好きなだけおかわりを頂けるだけでなく、空いたペットボトルがあれば、ペットボトルにまで入れて頂けるのである。
ボランティアの方々
すっごいうれしい しかも生レモンまで入っている。甘ったるさはなく、ほどよく酸味が利いていて実にすっきりしたホットレモン。

これを用意してくださった方々の優しさがカラダに染み渡って涙が出そうになる。

おいしかったです。

本当にここまでよく歩いてきた。渋滞に巻き込まれながら28km、7時間14分(歩行時間6時間55分、休憩時間19分)。2回目の練習よりも1時間以上速いじゃないか。よくやったわたし!




























というわけで
オツでした!!



























え、まだ28km?まだ半分?!

ナイスツッコミです。
長いので次回へと続きます。

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