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六甲全山縦走 練習その2/兵庫県神戸市中央区〜宝塚市 
2006年11月17日(金) はれ
同行者:なし 往路:JR最寄り駅〜JR三ノ宮
復路:JR宝塚〜JR最寄り駅・・・バス 

●コース概要●

JR三ノ宮駅・・・新幹線:新神戸駅・・・布引の滝(日本百名瀑)
・・・市が原・・・摩耶山(698.6m)・・・六甲最高峰(931.3m)・・・
六甲ガーデンテラス・・・塩尾寺・・・JR宝塚駅


おおよそ35km・全行動時間8時間30分【道に迷った時間・休憩等含】



『摩耶山まで行けば残り半分の28kmも惰性で歩ける』

と言われても、暗くなって誰もいなかったらどうしよう.。
前に歩いている人も今回初めての人だったらどうしよう。

チキンなわたしには怯える要素は尽きないのである(弱)。56kmという未知の距離。出来る限り不安要素は潰しておきたいと思う。と言うわけで、23日の六甲全山縦走大会に向けていよいよ後半の部分を歩いてみることにした。

摩耶山まで2度歩いているので、摩耶山から宝塚まで歩こうかと思ったのだけど。

せっかくなのでもう少し手前の市が原から摩耶山までの天狗坂・稲妻坂(あわせて約4kmの登り・六甲全山縦走の難関その2)を通る新幹線の新神戸駅の裏手から延びるルートを選択。

8時にJR三宮着。新神戸駅まで地下鉄でも行けるけれど、案内板を見ると1.5kmほどなので歩いて行った。実は、この新神戸駅の裏には、日本百名瀑にも選ばれている布引の滝があったりする。こんな神戸の真ん中に?と意外に感じたりもするのだけど。

奥に伸びる道の壁にこんなにでかでかと書いてくれています。

布引の滝までもうすぐそこ。市が原は六甲全山縦走の途中の地点。川原になっていて川遊びやバーベキューをしたり、レクリエーションにいいかも。
でかすぎ。
雰囲気は◎ で、布引の滝。4つの滝から成るのだけどこれは雄滝。「布引渓流」と名づけられていて、とりあえず、駅の裏にこんな地形があるのかとびっくりしました。布引どころか糸引きですかね。チョロチョロでした。

これでも、華厳の滝、那智の滝と合わせて3大神滝らしいです。
徳島の祖谷のかずら橋を見立てて、作られたそうだ。いかにも、だけど紅葉の下ではなかなかの演出家。 いい感じ♪

さらに進むと、布引ダムがあったりしたのですが何にでも日本百選ってあるのですね(;・∀・)。ダムは知らなかったなぁ。日本最古の重力式ダムだそう。大きさは感じなかったけれど、ダムには珍しく、おしゃれな感じがしました。泳げそうなくらい綺麗だったし。

知らなかったわ 新しい感じ?
だそうです 布引ダム

で、のんびり歩いたり、写真を撮ったりしながら10:20に市が原に到着。

意外と人は少なく、トイレ休憩をした後、静かな道を摩耶山に向って進んでいった。市が原から摩耶山までは稲妻坂・天狗道という六甲全山縦走でも難所の1つに数えられている場所が続く。単純標高差500m弱・4kmちょっとの道のりなのだが、ここに辿り着く以前のアップダウンがジワリと効き、疲労感を覚えるところなのである。


それにしても、青空と緑と紅葉それぞれが景色に映えていて思わず吠えてしまった。目の覚めるような鮮やかさ。
秋が、とてもうつくしい。

(クリックすると大きくなります→)
眩しい!!

しばらく登っていると一人のおじさんに追いついた。多くの人は「こんにちは」で終わってしまうのだけど、会話が続くときは何てことないことからつらりつらりと繋がってくれる。今日の会話の始まりは、「どこまで歩くのですか」からだ。

訊けば御歳75歳(驚)。おじいちゃんと孫でもおかしくないくらい歳は離れているのに、とても丁寧に話をしてくれたおじさん。山を歩くことがすきなのだそうで、今は、盲目の人たちが山を歩くときにサポートするボランティアをしているのだそうだ。

目が見えない人が山を登る?

五体満足なわたしには、にわかに信じることができなかった。

石鎚山の帰り、真っ暗になってヘッドライトを使った。時々消してみると、わたしはたちまち暗闇にすっぽり包まれてしまい1歩も足を踏み出すことができなかった。暗いことに泣きたいような恐怖を感じたわけじゃなかったけれど、わたしは再びヘッドライトを灯すまで足を踏み出すことが出来なかったのである。

「そりゃね、とっても時間がかかるし、1人に2人が付っきりになるけどね」

おじさんに、どうしても訊いてみたいことがあったけど、訊くことができないことがあった。

「僕もね、実は10年くらい目が見えないときがあってね。手術したら治るかもしれないって。目を手術することは怖くなかったか?んー怖くはなかったよ。何せ見えなかったからね。そのときに僕もボランティアの人に山に連れて行ってもらったんだよ」

頂上に着いたときって、目が見えなくてもわかるものなんですか?

「見えないのに登ってどうするの」という風に解釈されないかと。
「見える」おじさんには訊いてもわからないかと、戸惑ったけど。
でも、おじさんも見えなかったのならばどんな気持ちなのかわかるんだ・・・思い切って尋ねてみた。

「それがね、風とか、雰囲気とか・・・何かわかるんだよね。着いたってわかる。辿り着けたらやっぱり、うれしいよね」

2kmくらい一緒に歩いたところで、「宝塚まで行くのなら、気にせず、先に行きなさい」そう行ってくれたので先に行かせてもらうことにした。ここの縦走も2度経験しているおじさん。「前半で飛ばすと必ず後半でバテるから、前半では抑え気味でね、頑張ってね」そう言ってくれたおじさん。

いつかまた、このおじさんにどこかの山で逢いたいと思った。

そのときには、「わたしも行ってみたいです」と、飲み込んだ言葉を強く吐き出せるかな。

どんなにしんどくても、歩ききろうと自分に鞭を打てる力をもらった気がする。

ときどき、目を瞑って歩いてみたけれど、やっぱり危なっかしいこと、この上ない。

それから摩耶山に着くまでは、何かを吹っ切るかのように黙々と歩いていった。

m。

じゃなくって(;・∀・)。摩耶山(698.6m)到達!

3回目だけどようやく摩耶山頂上の写真をUP。三等三角点はちょっとわかりにくいところにあります。

説明が難しいので知りたい方は掲示板にて質問してください(;・∀・)。
写真が撮りにくいイマイチな場所(;∀;)
広々です☆ 摩耶山の掬星台(きくせいだい)の広場でおやつタイム。

ここからケーブルカーで下ることもできる。
夜にまた来てみたいです。すごい夜景が見れること間違いなし。

20分ほど休憩をして、10:50に未知の世界へ向けて出発。
丸見え☆
アゴニーって名前が(笑) 有名なアゴニー坂を下る(写真は下から上を見た画像)。登りのときに顎(あご)が、knee(ニー:ひざ)につく位、キツイ登りだというのでつけられた名前だそうだけど、下りは快適に歩けました。登りは知りませんが猪木レベルだと付き易いかも知れません(謎)。

でも、「アゴニー」って(笑)。
案内はあるのだけど、不安になって立ち止まっては地図で確認しながら歩いていく。

狭い車道を通る部分もあり、前半とはやあはり少し違った感じの道のり。途中の山道で見つけた木。白い木って青空に映えるから好き。
スリムです
鉄塔がいっぱい 摩耶山から7kmちょっとの六甲ガーデンテラスまで1時間40分で到着。思ったよりも登りがあるので(前半のような登りではないけど)、摩耶山を過ぎたからと気を抜かないほうがよいことがわかってよかったと思う。

地図を見るのに立ち止まるとやっぱり時間がかかっちゃうね。次は1時間半もかからず歩ける区間かな。
それにしてもここから六甲最高峰(一軒茶屋)までの道のりにマイッチング。

こう書いてあるから登ると・・・
最高峰への道のり
かと思って登ったのに下るのー(;∀;) 登って下って、車道に出る!

ことを繰り返すこと数回。えー!!

って遠慮なく言いましたわよ。誰もおらんし(笑)。

振り返って車道をよく見るとあんまり進んでないし。

なんじゃそら。

ちょうどおばちゃん一人で歩いている人がいて、よーいどんで車道と山道とどちらが速いか比べることができた部分もあったのだけど。実際に歩いてみないとどちらが短くてラクなのかは言えないようだ。

8つ?くらいあるポイントで5つくらいはどちらを歩けばいいのかはわかったけど・・・作戦を立てなければ。うむ。

注)大会ではどちらを通ってもいいそうです。
よし!六甲最高峰を捕らえたぞ。

最後のひと登りをノンストップでガツガツ登っていく。石鎚(10月上旬)のときにいい足の仕上がりになってきたと思ったのに、また最近アスファルト道しか歩けてなかったので不安になっていたけど。この自分の足の感じ、とても◎。抜くことはあっても誰にも抜かれてないしね。

何とか通しを12〜13時間で歩けないかなぁ(希望)。
見えたぞ☆
六甲の山にはこれが多いです(笑) 六甲全山縦走のコースからは数百メートル外れているけれど、関西百名山の1つである六甲最高峰も踏んでおくことに。
六甲最高峰・・・と大そうな名前がついているのですが931.3m。

頂上は割りと広々としていて焼肉をしている人の匂いにやられました(よだれ)。そんな人たちの視線を浴び、おじさんに撮ってもらった。パチリ。
イエイ☆
◎ ススキ、ササに囲まれたこういう山の風景、好きです◎。

焼肉の匂いを嗅いだら、無性に肉が食べたくなったのでソーセージで我慢。10分ほど休憩。
しばらく歩くとおなじみの看板発見。

しかし、前を行くお兄さんはそのままアスファルト道をくだっていってしまった。この看板の脇から山道が続いている。一体どっちを歩いていけばいいのだろうと迷ったけれど、結局山道を下っていくことにした。
おひさしぶりです(笑)

ここからは本格的な下りであろうと思っていたのだけど、これがまた忘れた頃に登りがあったりで気は抜けない。結局ずーっと気が抜けない(笑)。

でも、ココから先は誰一人として会うことがなかった。通しで歩いたら、この辺りを通る頃にはすっかり暗くなっているのかもしれない。ならば車道を通った方が転んだりする危険性はないのかな。

そんなことを思いながら、「宝塚」と書いた山へと入っていく看板を無視して車道を下ってみることにした。

今までだって結局合流していたんだから大丈夫でしょ。



と、思っていたら甘かった(;∀;)。ズンズン下った先に両手に伸びる道。どちらがどちらなのかがわからない。地図とコンパスを引っ張り出してみるのだけど、わからない。宝塚の方角的には左手だと思うのだけど、何故か右手が気になる。西宮ー大沢線?大沢ってどこ?訊こうにも人がいない。どうしよう・・・来た道を戻る?でも大分下ってきたのに。

しばらく悩んだ後、宝塚は諦めて西宮を目指すことにした。右手へと進むことに決めた。

狭い車道を歩いていくのだけど、ブンブン飛ばしている車ばかりなのでとても怖い。怯えながら30分ほど歩いた頃だろうか、見覚えのある標識が目に入った。


発見(☆∀☆) あったー(;∀;)。

素直に道標に従わないといけませんね(反省)。と言うわけで再び山の中へと無事戻ることが出来た。それにしても思わぬロスタイム。本番でなくてよかったと心から思った。
それから先は自分でもびっくりするくらい集中して歩くことが出来た。

気分よく歌っていると塩尾寺から登ってくるおじさんが(汗)。

今頃(16:00)から登り始めて、一体どこまで行くのかしら・・・とにもかくにも、無事宝塚までこれたことに安堵。
塩尾寺です
よい感じです なかなか美しい、宝塚の夕景。

一気に標高差300mほど、アスファルト道で下っていきます。
わたしの苦手な区間の中に、前半の大龍寺手前〜市が原までの下りがあったりします。下り4kmなのに2回ともきっちり1時間かかってしまった場所。

アスファルトの下りなのに・・・下りなんだけど靴の中で足がよれちゃいそうなくらい(謎)、傾斜がキツイいのである。
走ったほうがよっぽどラクなんじゃないかと思いつつ、後のことを考えて走れない自分だったり。

まさに、ここもそんな感じ。いや、最後の最後にこんな下りがあったのですね。油断してたわYO!
これがまた・・・
到着! 今日、何にびっくりしたかって、一番驚いたのは甲子園大学が宝塚にあったこと(大学の脇を歩きます)。

だって甲子園大学なんだから、甲子園球場の近くだと思っていました。
単純?

駅に向う学生に混じって、ひさしぶりに学生気分を味わえました。しかし一人だけステッキ2本持ってどう考えてもおかしな格好。

ここが本番でのゴール地点。

途中まではかなりいい感じで歩けていたのに到着は16:30。摩耶山から考えると、28kmを5時間50分。前半は前回、8時間40分。単純に考えても14時間半かかる模様。

今回のようにもう迷うことはないだろうけど、敵は日没後。暗いからもっとペースは落ちるだろうし、56km通しで歩くとなると体力の消耗も激しいと思われる。しかし、あくまで目標は休憩込みで12時間台。

が、23日の天気予報は今日(11月18日)の限り、降水確率50%の模様。雨の対策・練習は全くしておりません。雨が降ったら根本的に靴から替えなくてはならなくなります。しかし、いつものあの登山靴で56kmは・・・重いし、キツすぎる。

一体どうなるのやら。不安は尽きません。
けど、ぬぐえない不安はないと、おじさんに教えてもらったから。きっと、大丈夫。

23日がとても楽しみです。

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