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No.45 七種山(なぐさやま)/兵庫県福崎町 
2006年7月29日(日) はれときどきくもり
同行者:なし。 ジムニー走行距離:141.5km

●コース概要●

福崎町青少年野外活動センター(標高150m)・・・山門・・・七種滝・・・七種山(683m)
・・・七種槍(577m)・・・クサリ場・・・鉄塔・・・福崎町青少年野外活動センター

おおよそ11km・約5時間10分【含:休憩してばっかり(爆)】


暑い。

んー。あー。

迷いに迷って今日は姫路のちょっと北の福崎町にある七種山(なぐさやま)。姫路バイパスからR312に乗り換えるのだけど、肝心の県道406を見逃してしまい、グルグル。出るのも遅かったけれど、それでも到着は予定外の13時45分。

周りには川や池があって、水遊びを楽しむ家族連れがわんさか。夏休みの日曜日だもんね。

福崎町青少年野外活動センター前の無料駐車場に停めさせてもらい、そそくさと出発。ちんたらしている時間はない。

駐車場は満車!
センター前

本には縦走(七種滝〜七種山〜七種槍)で4時間20分と書いてあったのに、案内板には5時間30分(総距離11km=センターから七種山まで4.5km、七種山から七種槍まで3km、七種槍からセンターが3.5kmらしい)と・・・何だこの時間の差は?まぁ、こういうのはあくまで目安時間なんだけど。まぁ、縦走できそうになかったら七種山までのピストン往復でもいよいしね。

七種川沿いのアスファルト道をテクテク。

道端で背の高いユリを発見(☆∀☆)。この花!この間買った花の本に載ってたYO!

わーい(・∀・)初めてみたもんね 駐車場もある
コオニユリ 山門に到着

実はこのユリ、珍しい花でもないみたいですね。『オニユリ』ととても似ています。見ているだけでは区別がつかないくらい。人里に多いのがオニユリだそうなので、最初はそうだと思ったのですが。

細い葉の付け根のところに珠芽(ムカゴ)という黒いポッチンがつくのがオニユリなのだそうです。何枚か撮っていた画像をチェックしてみましたが、このユリには黒いポッチンがなかったのでコオニユリだと思われます。



しばらく歩くと山門に到着。数台なら車を置くスペースもあり、七種山や七種滝に行きたいけれど極力歩きたくない人はここまで車に乗ってきても◎。トイレは一応あって、使いたかったけど思わず開けた扉を閉めてしまったわたし。

途中雌滝だの、なんちゃら滝だの出現したのだけれど、無理やり滝として名前をつけてるだけじゃん?とツッコミたくなるようなショボイ滝ばかり。

七種滝も大したことないってあちこちで耳にしたしなぁ。あまり期待はしないでおこう・・・山門から滝まではさほど距離はないというのに。さっきまでの道よりも少し勾配がキツクなっただけだというのに。汗が止めどなく噴出し始めた。あーもう階段イヤ。

おー!!
七種滝

暑い、暑い、暑い。何回ここに来るまでに言ったことだろう。
落差72m。この水量が多いのか少ないのかどうなのかわからない。
音が静かでも、優雅なわけでもないのに、宇和島の雪輪の滝を思い出した。

まるで、夏の昼下がりに縁側で、獅子脅しの音をコツンと耳にしたような。

そのときのわたしのカラダに、コツンと涼を送り込むには十分すぎる滝だったみたいである。ぶっちゃけ大した滝でもないはずなのに。マックスで体が火照っているとき、目と耳から得られる水の力は清涼感としてなかなか威力があるみたい。

滝の前にどかっと腰を降ろし、汗でブツブツしている腕を見ながら、「もうここでいいじゃん」「結構この滝いいし♪」とささやく自分がいるわけだ。9割がたそう思っていたはずなのに、何故か体が鎮まってくるとスクっと立ち上がりまた歩き出す自分がいる。また、吉野家だく子になるのはわかっているのに。

下のほうで3組くらいの人にすれ違ったけれど、ここから先の約10km。誰一人として会うことがなかった。気配も感じることがなかった、割と珍しい山である。

いつも思うのだけど、兵庫登山会の方が立ててくれている看板には実にいい言葉が書いてある。口に出して読むとちょっとクサかったり(笑)、誰かと一緒に居たら笑いにしてしまっちゃうような言葉が多いけれど、一人でその言葉に遭遇すると結構励まされたり、うれしかったり。

よし幾三。 しょっぱなこんな感じ
本番です いきなりワイルドです(;・∀・)

最初は思っていたさ。

「何やー滝までの階段の方がしんどかったやんか」

でも、徐々に乱れていく息。
暑い。
一気に標高を稼ぐ登山道で勾配はどんどんきつくなり、用意されたロープや岩に捕まりながら登っていく。登りよりも下りの方がやっかいかもなんて思いながら。

あーマジきつい!!大した距離もないのに!!

何度も何度も思いながら。体は水を欲しているのに飲んだ側から吐くこと数回。看板のところから歩くこと25分。視界が白くなり、突然、開けた。どうやら展望岩らしい。

大きなテレビみたい わー☆
展望岩より その2

大きな岩の上に少し腰を降ろす。セミがジージー。そうだ、そうだ、今日は七種山まで行ってそして帰ることにしよう。

そんなことを考えながら進むこと110m。

景色がない(笑)
七種山(683m)到達

つなぎ岩(ちょっと下ったところにあるらしい)に目もくれず、わたしが手にしたのは雑記帳。

読むのも書くのも好き
こういうの好き

読むうちに、書くうちに、足はすでに縦走コースへ。あれ、もう帰るんじゃなかったっけ?(;・∀・)と自分で突っ込みつつ、帰ろうと思いながらも足が向いてしまう自分。それならそうと、最初から帰るだなんて思わずに、さっさと歩けばいいのになんて思うんだけどね。そこがわたしの弱いところ。心の中でくじけることが実に多かったりします。

了解!
行くどー

センターのところの案内とは若干ズレがあるみたいだけど、ここから七種槍まで3〜3.5kmのようだ。七種山を出たのが15時半。うむ。19時までには下りないと暗くなるよなぁと思いながらも、地図に「急な」下り、と書かれているものが多いながらも、1時間くらいで七種槍まで行けるんじゃない?と思っていた。ら。

甘かった。

落としたペットボトルがコロコロといつまでも転がっていく程に急な下り。下手したら登りより時間かかってない?というような箇所もちらほら。微妙なアップダウンを繰り返し、ところどころで現れる登りがまた効果的に効くのである(辛)。1.5リットル持ってきた水は既に残り500mlを切っている。

未だ名前がわからず 感じのいい道ではあるけど
こいつはまさしく高御位山で こんな道

こんなに3kmって長かったっけと思いながら、七種槍では痛恨のコースアウト。七種槍に登らず、そのまま下山(センター方面)道へ。わたしのバカ(;∀;)。で、よじ登った七種槍は、

とりあえず
七種槍(577m)
景色ナッシング(;∀;)

景色見えないなら何だよ、もっと手前にあった林道に下りる道で帰ってもよかったじゃん・・・とヒネくれながら。ふーんだ。3kmちょっと、下りメインの道に1時間半も費やしてしまった(痛)。まぁあれだけ休憩とってりゃーね。さて、これからまだ下りは続くし、岩尾根を歩く道。3分の2まで来たんだから、あとちょっとだYO!

ひっくりカエル これを目印に
倒れた木の右手からセンターへの道が 黄色バージョンもあります

後半は、シッポをブリブリ震わせる蛇に威嚇されつつ(ガラガラ蛇?)、

音してた(;・∀・)
こっち見てるよ(;∀;)

岩尾根にちょぴりどきどきしつつ、

来ました♪
こんな場面が続きます

手が届きそうな、低い空に夏を感じつつ。

この空こそ☆
いよいよ

・・・つーか、長い。

わずかながらミミッチク残していた水をついにごくり。あー飲んじゃった(;∀;)。
途中、草に覆われて道がわかりにくいところも何箇所かあったけれど、黒い網が伸びているのでそれを頼りに進むとよい。しばらく歩くと、野外活動センターの側にある七種池が見えた!駐車場にあるポツーンと取り残されたジムニーも発見。

目印に よっしゃー☆
クロアミ 後ちょっと

さっさと歩きたい・・・気持ちははやるけれど、体がついていかない。浮石にも気をつけないと。下りだけだと思っていたらまた登りに姿を変えたりする。水分を採りたいと感じないように気をつけないと。でもやばい、日が暮れてきた(焦)。

むむ どうやらここが
色づいてきた 鎖場みたい

終盤でクサリ場はキツイなーと怯えていたのだけど、ただ落ちないようにクサリが張られていただけのものだった。なーんだ。

19時までに降りれるかな
見えたぞ

途中からチラチラ見え始めた鉄塔。近づく池。とにかく鉄塔まで。あそこまで行けばあとはセンターへと続く下りのはずだ。鉄塔を越え、最後の登りを終えたら(疲)、ようやく現れた。

よし!
あと、ここを下れば(;∀;)

よし!

そう思ったのもつかの間。
最後の最後で待ち構えていた急な下り。下りなんだから楽だと思っていた。
でも、実際には10歩歩いては蹲り、10歩歩いては蹲りの繰り返し。ズルっと行ってしまえばもう踏ん張りがきかないんだろうという自分の足への不安。

早く帰りたい(;∀;)。でも歩けない。怖くて足が踏み出せない。

水の代わりに飴玉をひとつ、口に含んだ。

もーいやや。めっちゃしんどい。山になんかしばらくこんわ。

もう見えているのに。さっさと歩いちゃえない自分がもどかしい。辺りはどんどん光を失っていく。早く降りなければ。道端で1本の木を拾い、ステッキ代わりに歩いていった。早く降りたい。早く平坦な道を歩きたい。

池のほとりに出たとき、嬉しくて嬉しくて、涙が出た。

もう、誰もそこにはいなくて、取り残された静かな池と、わたしのジムだけが。

七種池 さて、帰りますか
すっかり静か ジムぽつーん

18:55。11km。もう口の中の飴玉は解けてなくなっていた。「完敗」以外の何ものでもない。どうしてここまで、今日は歩けなかったんだろうと思う。

帰りがけ、たまらずコーラを買ってグビグビ。
炭酸が喉を刺す。そんな痛みさえも心地いい。うますぎるYO!泣いちゃいそうなほどに。

足がだるくて、眠たいのに眠れないそんな夜、ベッドの中で考えるのである。

「次はどこ行こか」

あれ、もう行かないって言ったのに。
そんなわたしはただの不感症か、ひどい忘れん坊のどっちかなのだと思う。

そんな今日は真夏日。
どうやら遅かった夏が、到来した模様。

暑い日の歩き方をわたしはもっと学ばなければ。

【余談】
七種槍〜七種山〜七種滝という逆ルートでで歩く方もいるみたいですが、わたし的には今回のルートの方がよいかなと思いました。槍から後がどんどん展望が開けておもしろいので。わたしなら楽しみは取っておきたいかな。


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