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No.51 白馬岳(しろうまだけ)/長野県・富山県 
2007年8月14日(月) はれ+ガス
同行者:む。 ティーダ走行距離:1160km

●1泊2日で縦走:2日目コース概要●

白馬頂上宿舎テント場・・・杓子岳・・・
白馬鑓ヶ岳・・・鑓温泉分岐・・・鑓温泉(入浴)・・・
猿倉無料駐車場

おおよそ12.5km・合計行動時間約11時間【含:食事休憩・写真撮影・入浴等】

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3時半に腕時計の目覚ましが鳴った。

む。「星がいっぱい見える!あ、流れ星見えた」

フリースを着込みテントからひょっこりクビを2本突き出して覗いた真っ黒の冷え冷えとした空の中には、星星星。
普段標高150mのところに住むわたしたちが見る空とは明らかに違う空。2500m違えば、こんな空になるのかとまた学習。わたしにもひとつくらい見えないものかと粘ってみたけれど、とうとう流れ星に遭遇はできなかった。

む。「星がたくさん見えすぎて知ってる星座がわからんくらいやなぁ」

それくらい星だらけなのだ。
昨晩は途中目が覚めてよく寝たなぁと思ったらまだ夜の10時。それから少し風が出てきてバタバタというフライシートの音で少々眠れなかったけれど思ったよりも睡眠が取れたことに安心した。

周りの人も3〜4時に起きる人が多いらしくあちらこちらでガサゴソと音がし始めた。昨日の白ご飯とお湯を沸かしてカップ麺でゆっくり朝食。余り食欲がないのでむ。に半分は食べてもらった。それにしてもさすがに3000m近い山だけあって、とても寒い。

朝食が終わる頃には明るくなってきてライトもいらなくなったくらいだ。濡れたテントの撤収・パッキングを済ませ5:15に出発。ご来光を見に少々歩いている人がたくさん下りてきたようだ。その人たちに逆らって今日は残りの白馬三山を目指して歩いてゆくことにする。

ぴかぴか ほんの丸山まで歩いたら眺めもいいので山座同定

今まで山に登ってもどの山が見えようがそれほど気にもしたことはなかったけれど、これだけ360度山だらけならば、どれがどの山なんだろうか、いつかあの山にも行けるときがくるのだろうかとこのわたしでも思うくらいだ。昨日はよく見えなかった剱岳、立山がよく見える。今日もいい天気であることに感謝。

(←画像は高妻山・戸隠山方面)

日本は周知の通り山だらけの国である。

他の国にももちろん山はあるけれども、こんなに多くの山にしっかりした登山道があり、他の山から他の山へ縦走というルートを選べ、おまけに四季を愛でながらその時々を楽しめ、さらに頂上に辿り着くという爽快さを味わえる山がたくさん存在するお国は他にないのだそうだ。

だからこそ、誰もがその気にさえなれば気軽に山に行けるがゆえに信じられない事故が発生したりもするのだけれど。

たった1日2日普段の生活と切り離しただけでこんなにも素敵な景色や時間を過せる国に住んでいることに歓びを感じるし、これって日本が誇れることの1つだと確実に思うわたしだった。
既に暑くなってきた・・・

なーんて考えながらも、まだ6時にもなっていないというのに既に暑!!

それにしても、白馬三山の1つである杓子岳までの道のりの両脇にもたくさんの花が。まさにこれぞ花道!

青空に映えるね
青空とクルマユリ
今日も合えたー!
朝日を浴びたコマクサ

フリースを脱ぐのに足を止めたところの脇にコマクサが!!昨日見たコマクサはロープの向こう側に咲いていたけれど、こんな登山道脇の植物も何にも生えそうにない石ゴロゴロのところに咲いているんだね。コマクサって小さいのにたくましいんだね(学習2)。

杓子岳のラストの登り!というその手前に何とコマクサ再。

わたし倒れちゃいそう。
しかももっさり
雲具合がトテモ好き これも戸隠山方面
そしてこんな景色を左手に望みながら・・・

杓子岳は頂上を目指すことも、巻き道で逸れることもできる。特に白馬三山に拘っていたわけでもないのだけれど、せっかくなので押えておくことに。

えっちらえっちら 杓子岳への登りはゴロゴロ道。後ろの人と差があったけれど、石を蹴っ飛ばして落とさないよう気をつけたところ。

それにしても日陰なのに暑いー。
で、杓子岳(白馬三山/2812m)到達!まだ通過点の1つですが(笑)。

頂上模様を見ていても、旦那の言うとおりに歩を進める健気な妻から、なぜそこまでザックの外付けに?というくらいザックから様々なものがはみ出しているわ若者、どれがどの山かほとんどわかるお兄さんなどなど、本当にさまざまで人間ウォッチングも楽しいところ。そして遭遇する子供は決まってスニーカー(笑)。足首が柔らかいんだね。おばちゃん、びっくりよ。
杓子岳についたよー

む。も小学生のときに白馬岳を大雪渓から登ってアイゼンなし、スニーカーで登ったらしいけれど「楽しくて景色がきれいやった」というのしかなかったらしい。しんどいとか歩きにくいとか思わなかったというのだから子供ってすごいよね。

大人はあれやこれやと持ちすぎたり、考えすぎなのか?

それから一旦下り、白馬鑓ヶ岳(やりがたけ)へ向う。

途中ザレ場の急斜面にコマクサの大群を発見!
日陰だったけれどそれはそれは一面まさに「群生」していて、でも遠すぎて、まるで人を寄せ付けないかのようだったけれど幸か不幸か、
コマクサロード(勝手に命名)を見つけてしまったわたし。

どう見ても道ができているし!

先を行くお兄さんの後ろをついて行ってみたところ、一面咲くコマクサ。

・・・にちょっと近づけたけれど、コンパクトのデジカメでは自分の中に焼き付けた方がよっぽど鮮明に残るようでした(笑)。

寄り道をしたけれど再び登山道に戻り、歩いていると面白い花にまたまた遭遇。

小鑓をバックに
む。は花より景色
なんだこの色? すごくかわいかった
ミヤマアケボノソウ トウヤクリンドウ

何だこの大人っぽい花は?

可憐だとか可愛らしいという山の花のイメージとはかけ離れ、「妖艶」という言葉の相応しい
ミヤマアケボノソウ。小さいくせにやたら大人びた花(笑)。

いい景色じゃ 右のはリンドウの仲間だろうなぁとは思ったけれど、リンドウでクリーム色って珍しいですよね(紫っぽい色が多い)。しかも太陽がしっかり当たってよく開いてくれていたし。

トウヤクリンドウにも初対面。どちらも鑓ヶ岳手前の小鑓への登りで遭遇しただけでした。それにしても一体何種類の花が咲いているんだ?!
花好きにはたまらない話なのですが、写真を撮りすぎてこの時点で電池が既にあやしいのでした・・・(2人とも)

小鑓からは鑓ヶ岳まではあともうわずか。鑓ヶ岳まで歩いてしまえば後は基本的に下りばかりの道。
さぁ、しっかり全貌が見えたよ

何だか人が多そうな頂上だったので少し手前の広々としたところで、軽食休憩。
遠くに富士山、槍ヶ岳。このわたしでもすぐにわかる山をはじめ、八ヶ岳、常念、黒部五郎・・・行ってみたい山が目の前に広がるのだ。見上げるのではなく同じ目線の先に2〜3000m級の山々の壁。

昨日から、暑さのあまり異常にかく汗で両太ももがパンツに擦れてとても痛い。
もちなれない荷物がとても重たく感じる。
片道600kmも、時間もお金もかけて。
もっと別の夏休みの過し方だってあるのに。

・・・あるわけなのに、来てよかったと思うわけなのだ。

疲れるのがわかっているのに。山って、不思議なところだね(笑)。

絵みたいな景色
中央が白馬岳、右が杓子岳
いい頂上だった◎
白馬鑓ヶ岳(2903.1m)到達
さぁいくぞー!
鑓温泉分岐・唐松岳方面

さて、コースタイムでは白馬岳付近から2時間なのに、既に9時、4時間近く経過!

・・・と言っても、全く焦ってはない2人ですが(笑)。そろそろ行動開始。

眩しい! 下っていきます
だって鑓ヶ岳を振り返ればこの青空 20分ほど歩くと分岐登場

少し急なガレ道を下り、やれやれと思った頃にはあたり一面、お花が出迎えてくれます。

今になればもっと撮り方があっただろう、と思うのですが・・・どんなお花畑なのかよくわならない写真ばかり。何でこんな写真なの?という感じですがとりあえず載せておきます。

これはきっと・・・ ボールみたい
リシリオウギ
昨日のイワオウギより葉が丸いので多分
コガネギク(ミヤマアキノキリンソウ)
まるっこくて全盛期
深山、って感じのしない花 エゾノツガザクラを見てみたいなー
ミヤマアズマギク
終わりかけでションボリ
アオノツガザクラ
鈴みたい
む。休憩中。
む。を待たせつつ、気にせず撮影続行(笑)
ちょっとうれしい フサフサ
あ、シロバナニガナ
ニガナは珍しくもないけど白は初だったので
チングルマの綿
花も咲いていたけれど綿の方が好き
(・∀・) これにも「ミヤマ」系があったとは
キター!!!
ハクサンゴザクラ かわいい☆
ミヤマダイコンソウ

やっぱりどれがうれしかったかといわれると、あきらめていたハクサンコザクラ。見つけたときは大興奮しちゃったのだけれど、振り返ると斜面にわんさか咲いていたりして・・・(何故その様子を撮っていないのだ、わたし!それにコイワカガミを撮らなかったことを非常に後悔。)

何はともあれ、徐々にコレクションの増えていくデジカメを手にニヤニヤ笑いながら歩くわたしでした。あ、む。を待たせていることなんて全く気にしていませんから!

さて、この辺りからトンと登山道の様子の画像がありません(爆)。大分暑さに参っていた模様。ここを登って来ている人たちは誰もがかなりのダメージを受けているようでした。

しばらく歩くと「この先に鎖場があるのでステッキを片付けましょう」というような案内板があり、ステッキを仕舞いこみ、しばらく歩くと、鎖場登場。おぉ、これは意外と本気の鎖場じゃないの!

「鎖場」と書かれていても?と思うようなところも多い中、ここは事故も過去に多い場所のようで注意が必要。簡単に死ぬことができる箇所だ。特に濡れているときには気をつけてくださいね。

この辺りにはたくさんニッコウキスゲが咲いていて、鎖場よりもそっちの方が気になって気になって(笑)。

プリプリ☆ 葉柄で見分けるのが一番違いがわかりやすいみたい
ニッコウキスゲ タテヤマウツボグサ
ウツボグサは高山には咲かないので
波平さんみたい 温泉付近にたくさん咲いていたよ
ついにこのマークが!(笑) オオバミゾホオズキ

波平マークが出てきたらもうまもなく。小屋が見えたときは別に今日泊まるわけでもないのに「終わった・・・」的な安堵感が。

ここまで朝の出発地点からちょうど6時間。鑓ヶ岳までコースタイム2時間のところを4時間。鑓ケ岳から温泉までコースタイム2時間50分のところを2時間。んー同じように休憩を取ったり写真を撮ったりしているのによくわからん。まぁ、いいけど。

ジュースも生ぬるかったけれどそれでもおいしかったー ナイショです
鑓温泉売店 禁断の女湯・内部

楽しみにしていたここの温泉。この温泉があるからこのルートを選んだと言っても過言ではありません。300円を受付で支払い、荷物の見張りのためむ。と順番こで入浴。男女別で女子風呂は囲いがしてあるけれど男子風呂はオープンな露天風呂だったそうです(っていうか、途中ですっぽんぽんのおじさんが見えたw。混浴OKみたいだけどあのお風呂にはお昼、女子は入らんでしょうね)。

シャンプー、石鹸はNG。
わたしもむ。もタイミングがよかったのか、入ったときには誰も居なくて貸切状態。温泉の底がヌルヌルしていたので、温泉内ですってんころりんして派手にこけました(告白)。入るときにはお気をつけて。

ひと風呂浴びた後は400円でCCレモンの缶ジュースを買ってグビグビ。食欲はあまりないけれど軽くお昼を食べておく。水場もあったので汲ませてもらうけれど、温泉が湧き出ているところが近いせいか?、水が生ぬるかった。

ちょうど1時間休んでから12:15過ぎに下山開始。

不思議な感じ

テント場の横を歩きながらの下り。いやぁ、温泉のあるテント場いいなぁ・・・それにその付近を流れている川が温かい温泉!

それが湯滝になっていたし。だけどその先には雪渓。不思議な景色だね。


こういうところは涼しいよ サクサクと下りたいのは山々なのだけれど、どうも調子が上がらない。おまけに食べたものまで流出してしまう始末・・・トホホ。

ガンガン太陽は当たらないけれど、山の中を歩いて行くので風が通らない・・・雪や川の近くでは冷風が吹くので時折休みながらボチボチ下っていくことに。

雪渓をトラバースする箇所は2箇所あったようだけれども、1箇所は雪解けのため迂回路が作られていた。コレがロープを握って登っていくところだったので、弱っているわたしにはとてもきつかったのと、1700〜1750m地点辺りは、下ったかと思えば微妙な登りの繰り返しでしばらくの間標高差変わらず。これがジリジリとボディブローのように効いてきました。あぁ、風が欲しい。

しかも、「落石注意」とあるところは決まって上のほうでゴロゴロと不気味な音が・・・雪渓をトラバースしているときに後ろのほうで音を立てて落ちて行ったときは冷や汗ものでした。

中盤から5組ほどの人と抜きつ抜かれつを繰り返しながら歩いていると気分は少しづつよくなってきた。それにしても、こちらはこちらの道でしか見つけられない花も多し。コイワカガミに続き、花を知らないわたしはシロツメクサの仲間に見えて(爆)、
シロウマアサツキが1輪咲いていたのに撮らなかったことを激しく後悔しています。

葉っぱがゴージャス だよね?
この花もずっと探していたのです
キヌガサソウ
クガイソウ
でよいと思うんだけど
モリっとしてた これもナデシコなんだー
ヤマホタルブクロ
ちゃんとポイントをチェックしたよ(笑)
シナノナデシコ
キレ込んでいないナデシコもあるんだね
看板があったよー もしや?
小日向のコル
ミズバショウの群生地
ハクサンシャジン?
めっちゃかわいい!

小日向のコルまでくればあとは割となだらかな下りのみ!

なのに、石・岩ゴロゴロの多い道で柔らかいソールの靴のため足の裏が大打撃のわたし(爆)。何て軟弱なのかしら(ヨボヨボばあさんでした)。それでも予定通り16時過ぎには猿倉駐車場に到着。


やったぜ!!


温泉でさっぱりと汗を流し、なかなか見つからない蕎麦屋さんを何とか見つけズルズルと堪能。待ったけれど、めっちゃおいしい!

初めてのアルプスは大きくて、今までとは明らかに違っていて。自分に足りないもの、苦手なものもよくわかりました(笑)。
そば大好き〜

豊科から高速に乗り、滋賀県で事故渋滞に巻き込まれつつも後は問題なくスイスイと。運転は半分づつ。深夜2時に神戸に帰宅。

山好きのわたしはいざ知らず、わたしが行くから「俺も行く」と言ってついてきて、テント泊の装備まで持たされ1泊2日で着いてきてくれたむ。に感謝です(・・・モノ好きだよねぇ(笑))。

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